犯罪被害者支援大学生ボランティアについて
秋田県警察では、地域全体で被害者を支え、被害者も加害者も出さない街づくりを推進しています。
本事業は、将来、社会を担う大学生を対象にボランティアを募集し、犯罪被害者支援に関する研修や広報啓発活動への参加を通じ、犯罪被害者等の実情や支援の重要性について理解を深めることにより、地域社会全体で犯罪被害者等を思いやり、支える気運を醸成することを目的としています。
令和6年度活動状況
○ 令和6年11月2日 犯罪被害者週間「県民のつどい」
11月25日から12月1日は「犯罪被害者週間」と定められ、被害者支援の広報活動を積極的に行っています。週間に先立ち、11月2日にはあきた芸術劇場ミルハスにおいて「県民のつどい」が開催され、大学生ボランティアのみなさんが運営に携わりました。
「命の大切さ学習教室」(県内の小・中学校、高等学校及び特別支援学校で開催している、犯罪被害によりお子さんを亡くしたご遺族による講演会)に参加した児童・生徒による講師へ宛てた手紙の朗読、犯罪被害者遺族による講演、秋田県警察音楽隊によるミニコンサートなどが行われました。
大学生ボランティアのみなさんは会場設営や展示物の設置などの準備、ホンデリング・プロジェクトの受付のほか、児童・生徒による手紙の朗読の場面では、「命の大切さ学習教室」の講師紹介のナレーションや手紙の代読などを行いました。
犯罪被害者遺族である市川武範氏の講演では、被害者遺族の心情や、被害者等を地域で支える大事さなどを学び、被害者支援に対する理解を深めました。
大学生ボランティアのみなさんのご協力のおかげで、来場した方々に「命の大切さ学習教室」の講師の思いや、児童・生徒の思いを届けることができました。本当にありがとうございました。
~「ホンデリング・プロジェクト」とは~
読み終えて不要になった本やCDなどを集めて回収業者に送り、査定額を支援団体に寄付するものです。
大学生ボランティアによる講師紹介1
大学生ボランティアによる講師紹介2
展示の様子
警察音楽隊によるミニコンサート
〇 令和6年9月27日 第2回研修会
秋田県県民生活課及び(公社)秋田被害者支援センターと共に、「金魚のお守り」を作成しました。
「金魚のお守り」は、交通事故で大学生の息子さんを亡くしたご遺族が、「事故のない、命を大切にする社会」を願い、手作りしているもので、平成28年度から犯罪被害者支援大学生ボランティアと共に作成しています。
はじめに、ご遺族の被害後の心情や「金魚のお守り」を作り始めた経緯などのメッセージを聞いた後、お守りを手に取った方が命の大切さを考えてもらえるよう、一つ一つ願いを込めて作りました。
「金魚のお守り」は、「県民のつどい」等の被害者支援に関連するイベントなどで配布しています。ご遺族や大学生ボランティアの思いを受け取っていただければ嬉しいです。
第2回研修会
お守り作りの様子
金魚のお守り
〇 令和6年9月19日 犯罪被害者等のこころにふれる講演会
警察学校で開催した、警察職員、犯罪被害者支援大学生ボランティアを対象にした講演会に参加し、交通事故で小学生のお子さんを亡くしたご遺族の講演を聴講しました。講演してくださったのは、熊谷雄宇也くんのお母さんです。
大学生ボランティアからは、「高校生の時に通っていた道路で悲惨な事故があったと思うと、心が苦しくなった。」、「交通事故に対する認識が甘かったと感じた。今日の講演を忘れずに運転したい。」、「警察以外にも遺族が頼れる場所を増やしてほしいし、遺族を置き去りにせず、遺族に合わせた対応が大事だと思った。」などの感想が聞かれました。
講演会の様子
○ 令和6年8月6日 第1回研修会
(公社)秋田被害者支援センターにおいて、センターの見学や職員からの業務説明を受けました。犯罪被害者支援室員から、警察における犯罪被害者支援についての講話を聞いた後、映画「0(ゼロ)からの風」を鑑賞し、映画の感想や被害者等へどのような声掛けをしたいかなどについて意見交換を行いました。
大学生ボランティアからは、「車を運転するときは交通事故を起こさないように気を付けたい。加害者にも被害者にもならないようにしたいと思った。」、「被害者や遺族の方たちの思いが集まって、法律の改正や生命のメッセージ展の開催に繋がっていったのだと思った。」などの感想が聞かれました。
~映画「0(ゼロ)からの風」とは~
飲酒運転、無免許、無保険の暴走車に息子を奪われた母親が刑法の厳罰化を訴え立ち上がり、法律の改正や「生命(いのち)のメッセージ展」の活動に至るまでの実話を基に制作された映画です。
田中好子氏が母親役を、杉浦太陽氏が息子役を演じ、2007年に公開されました。
~「生命(いのち)のメッセージ展」とは~
犯罪・事故・医療過誤・一気飲ませなどによって理不尽に生命を奪われた犠牲者が主役のアート展です。
犠牲者の等身大の人型パネル(メッセンジャー)の胸元には、本人の写真や家族の言葉を貼り、足元には、「生きた証」の靴を置いて、生命の大切さを訴えています。
犯罪被害者支援室員による講話
映画「0(ゼロ)からの風」鑑賞
〇 令和6年7月11日 総合的対応窓口担当者研修会
市町村及び警察署の被害者支援窓口担当者を対象とした研修会(秋田県主催)に参加しました。秋田県県民生活課による犯罪被害者等支援についての業務説明、市職員による支援事例、(公社)秋田被害者支援センターの犯罪被害相談員による「犯罪被害者に寄り添うということ」と題した講演を聴講しました。大学生ボランティアは、犯罪被害者等に接するときの心構えや言葉遣いの具体例等を聞き、犯罪被害者支援の理解を深めました。
研修会の様子
○ 令和6年6月28日 「犯罪被害を考える日」啓発キャンペーン
『犯罪被害を考える日』について広く県民に周知するため、秋田駅東西連絡自由通路「ぽぽろーど」において実施した啓発キャンペーンに参加しました。
秋田県県民生活課及び(公社)秋田被害者支援センター職員と共に、チラシ等を配布しながら、『犯罪被害を考える日』についての呼び掛けを行いました。
~『犯罪被害を考える日』とは~
「秋田県犯罪被害者等支援条例」では、毎年6月30日を『犯罪被害を考える日』と定めており、県内各所で広報啓発活動を行っています。
街頭キャンペーン
活動の様子
○ 令和6年5月22日 委嘱書(登録書)交付式
秋田県警察の3つの大学生ボランティアの委嘱書(登録書)交付式を合同で開催しました。
交付式では一人一人の名前が呼ばれ、本部長が代表者に委嘱書(登録書)を手渡し、「一人ひとりが熱意と思いやりを持って積極的に活動に参加し、安全で安心な明るい秋田を実現するための一翼を担っていただくことを大いに期待しています。」と述べました。
今年度は、県内の大学に通う5人を犯罪被害者支援大学生ボランティアとして登録し、令和7年3月まで犯罪被害者支援に関する広報啓発活動を行います。
登録式の様子
登録書受領